日本音響学会 2015年春季研究発表会特別企画
「音響学シンポジウム“いい音を作る”」

 本会の学術活動の活性化に資することを目的に,分野横断的かつ世代縦断的なイベントとして,下記のシンポジウムを2015年春季研究発表会前日(日曜日)の午後に開催します。統一テーマとして「いい音を作る」を掲げ,8つの研究分野から講演者を招き,様々な視点から論じていただきます。聴講者に専門分野外の話題にも興味をもっていただけるよう,あえてシングルトラックでプログラムを構成します。
なお,本講演会は学術委員会とSIGMUSの音学シンポジウム実行委員会メンバーでもある本会会員有志の共同企画により実施するものです。
日 時  2015年3月15日(日) 12:30〜18:10[研究発表会 前日] 
会 場 中央大学後楽園キャンパス5号館2階5234教室
テーマ 音響学シンポジウム“いい音を作る”
参加費  無料 ※事前申し込み不要。
対 象  本会会員、音響学に興味がある方
共 催  情報処理学会 音楽情報科学研究会 音学シンポジウム2015実行委員会
協 賛
 (依頼中
)
日本機械学会、自動車技術会、精密工学会、電子情報通信学会、
日本騒音制御工学会
内 容   本会の研究対象である音の中から可聴周波数帯域の音を取り上げ,「いい音」について多様な研究分野の専門家がそれぞれの視点から広い意味でとらえて議論します。講演者の方々には,専門外の聴衆にもわかりやすいよう配慮しつつ,最先端のトピックについてもご紹介いただく予定です。本会の幅広い研究分野で活動されている若手からベテランまですべての年齢層の皆様の参加をお待ちします。 
プログラム (敬称略) 都合により講演の順番、講演者が変更になる場合もあります。
12:30-12:40  開会挨拶
12:40-13:15 音声認識にとっての悪い音声の克服史       中川聖一(豊橋技術科学大学)
 概要:   人間にとって自然な音声でも,機械で認識する立場にとっては悪い音声が多い。音声には,時間的伸縮,調音結合,話者,発話スタイル,雑音重畳,残響等,様々な要因による変動がある。これらの変動を克服してきた研究の歴史を振り返る。
   
13:15-13:50   音声合成で良い音を作る!       山岸順一(国立情報学研究所)
  概要:   音声合成は与えられたテキストを音声へ変換する技術である。通常,音声合成の品質は,自然性や明瞭性で評価されることが多い。しかし広義の意味では,良い合成音声とは,品質が高いこと,自然性が高いことでは必ずしもない。 例えば,視覚障害用音声合成では,3倍,4倍速と言ったハイスピードによる合成音声でも明瞭性が保たれることが望まれる。騒音下で利用される音声合成では,雑音下でもいかに聞きやすいが大事な点になる。障害者用意思伝達装置に使われる音声合成では,出力音声がいかに本人に類似しているかも大事な点である。 本研究では近年の音声合成の性能に言及した上で,幾つかの関連研究やプロジェクトを紹介し,合成音声の「良い音」について探求する。
   
13:50-14:05  休憩1(15分) 
14:05-14:40  聴覚と身体の潜在的結合       柏野牧夫(NTTコミュニケーション科学基礎研究所) 
  概要:   聴覚と身体はさまざまな形で密接に相互作用している。眼球や心拍,ホルモンなど身体に表れる変化から音に対する情動を解読する試みと,身体運動を音に変換することによってスポーツの上達を支援する試みについて紹介する。
   
14:40-15:15  マイクロホンアレイ信号処理の非同期分散録音への展開       小野順貴(国立情報学研究所 
  概要:   マイクロホンアレイ信号処理は,音源分離や雑音抑圧のための大変有効なアプローチの一つである。本講演ではこの基本的な仕組みを概観した後,著者らが近年取り組んでいる非同期分散録音への展開について紹介する。
15:15-15:30  休憩2(15分) 
15:30-16:05  「いい音」から「いい音楽」へ       山田真司(金沢工業大学) 
  概要:   単に「良い音」を組み合わたせただけでは「良い音楽」にはならない。良い音とは何かを追求する音響学が,これまで作曲・演奏理論や音楽心理の問題にどのようにアプローチしてきたのかについて例示しながら述べる。
16:05-16:40  音楽の生成と理解 + Rencon の概要紹介       片寄晴弘(関西学院大学) 
  概要:   音楽情報処理の研究領域では,音楽の生成と理解に関する多数の研究がなされてきた。本講演では,その中のマイルストーン研究を紹介する。また,本シンポジウムのメタテーマ「いい音をつくる」の評価に関連した話題として演奏の表情付けコンテストRenconについて紹介する。
   
16:40-16:55  休憩3(15分) 
16:55-17:30  いい音・いい響きの工学的な再生と芸術的な創造       尾本 章(九州大学) 
  概要:  いい音,いい響きとは何か,建築音響の分野でも盛んに研究されています。さらに,工学的に精密な再生に関しても,多くの手法が提案されています。ここでは,各種音場再生技術に芸術的な手法を融合させる可能性について考えてみます。 
   
17:30-18:05  製品のサウンドデザインによる機能的な環境の創造       戸井武司(中央大学) 
 概要:   自動車,家電やオフィス機器など高質感が要求される製品に相応しい”いい音”を生み出す快音設計を発展させ,音を活用することで感性価値を高める機能的な環境を創造するスマートサウンドデザインについて講演する。
   
18:05-18:10 閉会挨拶